こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」道央担当リポーターの坂井里紗です。夏を前に日ざしが強い日が増えてきましたね。先週外でロケをしていたら、耳と首元が真っ赤に日焼けしてしまいました。今もヒリヒリしながらこのブログを書いています。水分補給なども大切ですが、日焼け対策もしっかりしなくてはいけませんね。 さて、道央・胆振日高70市町村の魅力をたっぷりお伝えする「ななまるマップ」の今回のキーワードは「石炭グルメ」です。かつて炭鉱で栄えた空知地方では、炭鉱をイメージした新しいグルメがいくつも誕生しています。上砂川町にも炭鉱の町にぴったりなおいしい食べ物があると聞きつけて伺いました!
まず訪ねたのはお菓子屋さん。ですが、どう見ても普通の住宅です。本当にここで合っているんでしょうか?正直不安になりました。
インターホンのボタンを押すと、「いらっしゃいませ♪」とすてきな声で出迎えてくれました!実は自宅の玄関でお菓子屋さんを開いているんです。「歌う月のおかしやさん」という店名で、今後は看板を作る予定だそうです。
棚にはおいしそうなクッキーや地元の作家さんが作ったかわいらしい雑貨などが並んでいます。その中に黒い食べ物を見つけました。その名も「石炭ケーキ」です!
ゴツゴツした見た目は確かに石炭の雰囲気です。正体はチョコチップのパウンドケーキで、食用の竹炭を入れることで黒くしています。食べてみると、フワフワのパウンドケーキの中に、たっぷり入ったチョコレートのザクザクとした食感も楽しめて、とてもおいしかったです!ほろ苦い味と甘さの強い2種類を売り出しています。
この石炭ケーキを作ったエクルンド藍さんに話を伺いました。エクルンドさんは2018年に上砂川町に移住して、ことし3月まで地域おこし協力隊で活動していました。石炭ケーキはその活動の中で考案したそうです。
「歌う月のおかしやさん」エクルンド藍さん
「最初はイカ墨を使うことを考えましたが、“でもイカ墨ってお菓子じゃないな”と思っていろいろ調べたら、食用の竹炭があることが分かってやってみました。見慣れないお客さんにはびっくりされますが、“食べてみるとはまっちゃう”という方がたくさんいらっしゃいます。今、結構ストレスを抱えている方が多いと思うんですけど、甘い物を食べてちょっとでもストレスが和らぐように手軽に味わってほしいです。上砂川と言えば石炭ケーキという風になっていったらうれしいです」
エクルンドさんは声楽家としても活動していて、各地でコンサートを行ったり、自宅で音楽教室を開いたりしています。地域おこし協力隊で活動していた時から上砂川町を得意のお菓子作りと歌で盛り上げたいと考えていたそうです。
「歌う月のおかしやさん」エクルンド藍さん
「上砂川に来たのは縁だと思いますね。上砂川町は本当に人が優しい町だと思います。まだまだ新参者とは思うんですけど、せっかく受け入れてくれているかなと感じているので、町民のみなさんのために頑張っていきたいと思います。自分が仕事をすることで上砂川町を知っていただけたらなと思います」
続いて伺ったのは昔の炭鉱住宅の近くです。ここにもおいしい石炭グルメがあるというのですが…教えてもらった場所に行ってみると、これまたお店とは思えない雰囲気です。看板には「集会所」と書かれています。
恐る恐る入ってみると女性が出迎えてくれました。話を伺うと、なんと「きまぐれ牧場」というチーズ工房でした。以前集会所だった建物を工房にしているそうです。
この工房は関東出身の勝長玲美さんが2年前から切り盛りしています。現在、4種類のオリジナルのチーズを作っているそうです。
白いチーズが並ぶ工房のどこに石炭グルメがあるんでしょうか?伺ってみると、勝長さんが出してくれたのは黒いチーズ、その名も「きまぐれ炭」です。菌を洗い流しながら発酵をコントロールするウォッシュチーズと呼ばれるタイプのチーズです。
チーズを洗う水に竹炭を入れていて、何度も洗うことでだんだん黒い色がついていくそうです。色だけではなく凸凹した見た目も石炭をイメージさせますよね。もちろんこちらもいただきましたが、とっても濃厚!中はトロッとしていて竹炭がまろやかで、とてもおいしかったです。パンやお酒にも合うと思いました。
勝長さんに「きまぐれ炭」を作ったいきさつを伺いました。
「きまぐれ牧場」勝長玲美さん
「特産品というか、町の特色として代表になる物があったらいいなと。そうなると“やっぱり炭鉱だろう”ということで作りました。ウォッシュチーズでできることがないかなと考えた時に、竹炭の水で洗ってみたらいいんじゃないかなと思いつきました。ウォッシュチーズと炭鉱を掛け合わせてみたという感じですね」
勝長さんはなるべく空知産の材料を使ったチーズを作ることを心がけています。取材中には原料のミルクを自前で作ろうと、現在制作しているヤギ小屋も見させていただきました。勝長さんの目標は“すべて上砂川産”の原料で作るチーズだそうです。
「きまぐれ牧場」勝長玲美さん
「せっかくチーズを作っているので、やっぱりミルクから作りたい、上砂川町で育ったヤギのミルクを作りたいなと思って。それをチーズにして、完全な上砂川町産のチーズを作りたいという思いでやっていますね。北海道で一番小さい町の新しい特産品なんだっていうイメージを持ってもらって、“上砂川町、空知と言えばチーズがあるよね”と思ってもらいながら食べてもらえたらうれしいなとは思いますね」
取材後記
取材させていただいた2人とも上砂川町に“縁”を感じていました。エクルンドさんは地域おこし協力隊として働ける場所を探している時に上砂川町に出会いました。たまたま上砂川の募集条件を見て、自分の得意分野を生かせると感じて惹かれたそうです。
勝長さんはヤギのチーズを作りたいと土地を探していろんな市町村に電話をしていた時に、「あります!」とすぐさま応えてくれたのが上砂川町だったそうです。
2人ともそろって言っているのが、「上砂川町は人が優しい。受け入れてもらえている気がする」ということ。地域に恩返ししたい、地域の人たちの生活に寄り添いたいという思いがひしひしと伝わってきました。
上砂川愛にあふれている人たちが作る石炭グルメを皆さんもぜひ地元で味わってみてはいかがでしょうか。
道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2022年6月17日
前回紹介したのは、石狩市で見ごろを迎えるハマナスです。かつてのハマナスが咲き誇る石狩浜の景観を取り戻そうと多くの人たちが取り組んでいました。こちらも併せてご覧ください♪
石狩浜にもう一度一面のハマナスを!
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