ごちそうを食べて「おいしい」と感じる。でも、その好き嫌いは人によって違う。そういえば、私自身も昔苦手だったコーヒーが大人になって好きになった。当たり前のように感じる味覚は、実は謎だらけだ。多様で複雑な「おいしさ」の不思議に迫る。
進化とともに
食べ物の味は主に「甘み」「酸味」「塩味」「苦み」「うまみ」の五つに分類される。それぞれ、舌の先端や根元などにある「味蕾(みらい)」という組織で感知している。
味蕾には、五つの基本の味に対応するセンサーを備えた細胞が集まっていて、甘酸っぱい食べ物なら、甘みと酸味それぞれに対応するセンサーが働く。そこに香りや見た目、食感なども混ざって脳に伝わり、「おいしい」「まずい」と感じる。
味は動物の生存本能と関係が深い。甘みは糖質、うまみはたんぱく質と、いずれも生命のエネルギー源と関わりがある。逆に、苦みは毒性、強い酸味は腐敗と、それぞれ警戒すべきサインになる。
それだけに、動物の味覚は自然界で生きていくために長期間かけて進化してきた。
東京大の三坂巧准教授(食品科学)は米ハーバード大などと共同で、甘い花の蜜を吸うハチドリの味覚を調べた。実は、肉食恐竜を祖先とする鳥類は甘いものを食べても味を感じない。脊椎(せきつい)動物の多くは味覚細胞にある「T1R2」と「T1R3」というたんぱく質の組み合わせが甘みセンサーとなっているが、鳥にはT1R2がないのだ。
ではなぜハチドリは花の蜜を好むのか…
からの記事と詳細 ( 「甘いものは別腹」は人類が進化した証? 味覚変化の不思議 - 毎日新聞 )
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