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Saturday, June 3, 2023

<日本歯内療法学会 ニュースレターvol.10>歯と口の健康週間に合わせ ... - 岐阜新聞

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時々感じる歯の軽い痛みも虫歯のリスクあり!? 直近3ヶ月で稀に痛んだ歯を検診して虫歯だった割合43.1%

2023/6/2
一般社団法人 日本歯内療法学会

一般社団法人 日本歯内療法学会(所在地:東京都豊島区、理事長:佐久間克哉)は、「歯の痛みの放置」に関するアンケート調査を直近3ヶ月で歯の痛みを感じたことがある20~60代800名に実施いたしました。

今回の調査結果では いつも痛む方(痛みが1~3日に1回程度)25.9%、時々痛む方(痛みが毎週~2,3週毎に1回程度)32.1%、稀に痛む方(1~3ヶ月に1回程度)42.0%となりました。いつも痛む方、時々痛む方が歯科検診で「虫歯」と診断された割合はそれぞれ、33.0%、31.0%でした。また「稀に痛む」方は、80%以上が「違和感」、「少しの痛み」で痛みが軽度であった一方、43.1%が「虫歯」と診断されました。痛みの強さや頻度に関わらず断続的に痛みを感じている方に一定の「虫歯」リスクがあると推察されます。

➀ 「稀に痛む」方42.0%、歯科検診の結果43.1%が「虫歯」と診断

・ 「稀に痛む」人42.0%のうち、49.7%が歯科を受診
・その結果は「知覚過敏」16.2%、「歯肉炎・歯周病」16.8%、「かみ合わせやかむ力の異常」8.4%、   「虫歯」は43.1%となった
・「稀に痛む」人の痛みの程度は「少し痛い」「違和感程度」が81.3%で多数

②  歯科検診していない人で痛みを半年以上放置した割合、「稀に痛む」方56.8%

・「いつも痛む」人でも半年以上痛みを放置した割合は43.4%と長期間放置する人が多く見られた
・ 通院しない理由は「いつも痛む」方、「時々痛む」方、「稀に痛む」方、それぞれ「通院が面倒に感じる」がトップ
・「面倒」の次は「いつも痛む」方は「時間がない」、「時々痛む」方は「治療が苦手」、「稀に痛む」方「治療はまだ大丈夫」

③  「稀に痛む」方42.0%のうち、18.8%が中度以上の痛みを経験

・「痛い」「すごく痛い」は「いつも痛む」方27.5%、「時々痛む」方14.4%、「稀に痛む」方18.8%おり、痛みの頻度は稀でも強い痛みを感じる人が一定数みられた

④  熱いものを飲食した時の痛みは虫歯のサイン!?

・熱いものを食べたり、飲んだりした際に数秒痛みを感じた場合は歯髄近くまで進んでいる場合が多い
・その他、冷たいものや甘いものでしみる場合が上げられるが、軽度の痛みや、断続的な痛みでも、歯科医の検診をお薦め。

「歯の痛みの放置」意識調査

■42.0%は稀に痛む程度だが、18.8%が中度以上の強みを抱えている

痛みの頻度はどのくらいですか。(SA,N=800)


 
痛みのレベルはどのくらいですか。(SA,N=800)
 

痛みを感じるのは特定の箇所ですか。(SA,N=800)

■痛みで通院した方は半数程度、痛みの頻度に関わらず虫歯と診断されることが最も多い

その痛みはどのような時に感じますか。当てはまるものをお答えください。(MA,N=800)


 
痛みを感じた後、歯科を受診しましたか。(SA,N=800)


「歯科を受診しましたか」の設問に「はい」と回答された方へお聞きします。
 歯の痛みの原因についてどのような説明がありましたか。(SA,N=361)


 
■通院しない方の痛み放置期間は、「いつも痛む」方でも半年以上が43.4%

「歯科を受診しましたか」の設問に「いいえ」と回答された方へお聞きします。 歯の痛みはいつから放置していますか?
(SA,N=439)

 
「歯科を受診しましたか」の設問に「いいえ」と回答された方へお聞きします。歯科医に行かない理由は何ですか。
(MA,N=439)

 
【調査概要】
調査主体 : 一般社団法人 日本歯内療法学会 
調査対象 : 直近3ヶ月で歯の痛みを感じたことがある20~60代800名
      (20代、30代、40代、50代、60代を男女に分け、それぞれ80名を調査)
      「医薬品、健康食品、薬品、化学、石油化学」「市場調査」「医療、福祉」
      「出版、印刷」「メディア・マスコミ・広告業」にお勤めの方は除く)
調査方法 : WEBアンケート                                 
調査時期 : 2023年05月19日(金) ~05月23日(火)

歯の痛みが伝わる仕組みと虫歯の痛みの特徴

私たちの歯は表面のエナメル質、象牙質、歯の神経である歯髄の層で成り立っています。エナメル質を通じて痛みを感じることはほとんどありません。しかし、何かの原因で象牙質が露出すると歯髄が刺激を感知しやすくなります。冷たい飲み物、食べ物を口にしたとき、しみるような歯の痛みを感じるのは、こうしたことが主な原因です。

痛みが生じる例として以下が上げられます。
① 虫歯 ② 知覚過敏 ③ 歯肉炎・歯周病      
④ ストレス ⑤ 親知らず ⑥ かみ合わせやかむ力の異常      
⑦ 歯のヒビや割れ





<虫歯の特徴>
歯が菌によってエナメル質が齲蝕され象牙質が露出すると痛みを感じます。また最悪の場合、歯髄にまでむし歯が進行し、炎症を起こす歯髄炎に至る場合もあります。歯髄炎は歯の神経(歯髄)を抜く処置が必要になることもあります。むし歯の初期は痛みが感じにくく、「知覚過敏」と認識してしまい処置が遅れる場合もあります。また、大人になると歯肉のエナメル質がない箇所や歯の詰め物の間にむし歯が出来るなど、見た目には気づきにくいものも多くあります。さらに、痛みを放置しむし歯が歯の内部まで進むと「歯内療法」の処置が必要となります。現在では歯を丈夫にしたり、痛みを知らせる役割を持つ歯の神経(歯髄)を保存することが重要視されています。痛みをご自身だけで原因を特定せず歯科医の診断で適切な処置を施すことが重要と言えます。

 
<虫歯の痛み>
熱いものでしみる場合は要注意
熱いものを食べたり、飲んだりした際に数秒痛みを感じた場合は歯髄近くまで進んでいる場合が多いです。その他も、冷たいものや甘いものでしみる場合が上げられます。通院した際にむし歯と診断される割合が3~4割程度あったように人によって痛みや頻度は異なるため、これらの痛みがなければ安心という訳ではありません。軽度の痛みや、断続的な痛みでまだ大丈夫と思った場合でも、歯科医に診てもらうことをお薦めします。


歯内療法とは

■多くの人が治療を受けたことがある「歯内療法」
「歯内療法」とは、自分の歯をできるだけ抜かずに治療することを目的とした治療の総称で、「歯の根の治療」「神経を抜く」と言われる治療も歯内療法の範囲です。特に歯の根の深くにアプローチする治療を「根管治療」と言います。
「歯内療法」は多くの方が受けたことのある基本的かつ身近な治療法ですが、根管の径は1ミリメートル以下の細い管で、形態は様々で非常に複雑なため、歯内療法には高度な技術が要求されます。


日本歯内療法学会からのメッセージ

今回のアンケートでは、直近3ヶ月で稀に痛んだ歯を検診して虫歯であった割合が43.1%という注目に値するアンケート結果となりました。この結果により歯の痛みは強さや頻度に関わらず一定の虫歯のリスクがあると推察されます。虫歯の痛みは多くの場合、痛みがしばらく続き、そのまま放置すると痛みが全くなくなることがよくあります。しかし、これは虫歯が治ったわけではなく、歯の神経が死んだことで痛みがなくなったことを意味します。このまま放置すると、その後さらに激痛に変わることはよくあることです。このことから歯の痛みを感じたら、ご自身の判断に頼らず歯科医の受診をお薦めします。

歯髄を守る対策は日々歯のケアを怠らないこと、定期的な歯科健診で歯の状態をチェックすること、また普段の生活で歯に痛みを感じたら、放置せず早期に歯科医師へ相談し、必要に応じて治療を行うことです。「歯内療法」は多くの方が受けたことのある基本的かつ身近な治療法ですが、根管の径は1ミリメートル以下の細い管で、形態は様々で非常に複雑なため、高度な技術が要求されます。

日本歯内療法学会会員の歯科医師たちは、こうした “無症状だが悪化している” 状態を早期に発見し成功率の高い高度な治療をご提供いたします。

また当学会はさらなる研鑽を積み、症例審査、筆記試験、並びに口頭試問を通過した会員に「専門医」の資格を与え、国民が「専門医」を受診し易いように学会のホームページにその名簿を公開しております。

日本歯内療法学会HP(https://jea-endo.or.jp/public/

日本歯内療法学会 概要

■名 称      :  一般社団法人日本歯内療法学会(Japan Endodontic Association)
■理事長     :  佐久間克哉
■所在地     :  〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-9 駒込TSビル

【設立経緯】
1960~70年代は世界的に歯科医学の研究教育ともに画期的に飛躍をとげた時代と思われる。日本の歯科大学においても教育内容の充実に目覚ましいものがあった。しかしながら、開業医の臨床の実態はかなりかけ離れているのが実情であった。
当時日系二世の歯科医W.T.Wakaiが歯内療法専門医としてハワイにおいて開業していた。彼はのちにアメリカ歯科医師会の副会長にノミネートされた指導的人物であった。彼は母国日本の実態を理解していたので、日本も世界の水準に遅れないように歯内療法学会を設立しなければならないと、識者に呼び掛けていた。この時期に大谷歯内療法研究会の存在が彼の目にとまった。この研究会が学会設立の中枢になりうるものと考え強くこれを要請した。かくして日本国内外にも学会設立の気運が高まり、学会設立の呼び掛けに応じた臨床医グループがこれに加わり、多数の大学の歯科保存学の関係者の賛同を得て1980年(昭和55年)1月に日本歯内療法協会が設立され発足した。(学会名称は昭和55年1月26日より平成5年6月12日までは日本歯内療法協会、平成 5年6月12日より平成14年7月20日までは日本臨床歯内療法学会、以後日本歯内療法学会と改称した)
現在では、大学の先生方の参加が増え開業医主体であった会も研究者の発言、指導が取り入れられ、臨学一体となった当初の理念に近づいている。特に学術大会、セミナー、学会誌等は大学の教室単位の協力を得て充実して行われている。

【学会設立の趣旨】
歯内療法の基礎と臨床を研究し、正しい歯内療法を実践することにより国民の福祉と健康に貢献する。

【学会設立以降の主な活動】
1.会員制度の確立(一般会員、準会員)
2.年一回の総会ならびに学術大会開催
3.平成6年以降、専門医セミナー秋期1回開催
4.学会認定専門医、指導医制度の制定
5.協力団体設立支援

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