生理前になると抗えないのが、チョコレートなどの甘いものが食べたくなる欲求。なぜ甘いものが食べたくなるのか、そのメカニズムについて専門家の解説をご紹介。(フロントロウ編集部)
生理が近づくと甘いものが食べたくなる理由
眠くなったりイライラしたりとさまざまなトラブルが起こりやすくなる生理の約1~2週間前。月経周期の黄体期にあたるこの時期は、女性ホルモンのうちプロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモンの分泌量が増加し、心身ともに不安定になりやすいとされている。
そんな生理前は過食にもなりやすいが、とくに欲してしまうのが糖分。普段はあまり甘いものを食べないのに、生理前だけは食べたくなるという人もいるのでは?
生理前に甘いものが食べたくなるのはなぜなのか、気になるそのメカニズムを専門家が明かした。
幸せホルモンが欠乏するから
チョコレートなどの甘いものが食べたくなるのは、ずばりセロトニンが欠乏するから。セロトニンとは、別名幸せホルモンと呼ばれ、ストレスに大きく関わっているホルモン。
医師であり生殖・内分泌の学者でもあるジョシュア・クライン医師は、「生理前にあたる黄体期には、幸せホルモンのセロトニンやインスリンが減少し、ストレスホルモンのコルチゾールが増加します。これにより、気分がよくなるチョコレートなどの甘いものを欲してしまいます」と米Healthで説明。
クライン医師によると、糖分と脂肪は脳内のセロトニンやインスリンのレベルを高め、ドーパミンを放出させる作用があり、気分を高揚させてくれるのだという。そのため生理前には甘いものが食べたくなる傾向になると明かした。
実際にさまざまな研究でこのメカニズムは証明されていて、2015年に行なわれたEuropean Journal of Nutritionの研究では、月経周期のほかの3つの段階と比較して、黄体期にはチョコレート、甘いもの、塩辛い食べ物に対する食欲と渇望が顕著に増加することが分かった。
エネルギーを蓄えようとする本能も関係
生理前になると甘いものが食べたくなるのには、エネルギーを蓄えようとする生存本能も大きく関わっているのだとか。
欧米で人気の高い月経管理アプリFloの医療顧問も務めるクラウディア・モスカ医師は「脂肪や糖分の多い食品を求めることは、ある意味で生物学的な生存メカニズムである可能性も高いです」と英Glamourで説明。
受精卵が着床する期間である黄体期は、身体が妊娠に備えてエネルギーを蓄えようとする時期。そのため身体にとってのエネルギー源である脂肪や糖分を欲する傾向にあるという。
ちなみに生理前には、甘いもの以外にも食べ物を欲し、とくに空腹になりやすいが、これは身体が特定の栄養素を欲しているサインでもあるとモスカ医師は明かした。とくに鉄分は生理中に不足しやすいため、生理前に補充するよう身体が訴えていることが多いそう。
生理前に甘いものを食べるのはOK?
生理前の時期にチョコレートなどの甘い食べ物が食べたくなった場合、欲求に従って食べてもOKなのか気になるところ。多くの専門家の回答は、極端な量でなければ食べてOK。
栄養療法士であるローラ・サザン氏は、「チョコレートは抗酸化物質であり、炎症を抑え、心を落ち着かせる働きがあるため、自然の精神安定剤と呼ばれることもあります。食べると気分が落ち着く、リラックスできるのであればむしろ食べることをオススメします」と明かした。
とはいえチョコレートだけを過食するのはNG。マグネシウムやビタミンD、鉄分、カルシウムなども積極的に摂取し、バランスのよい食事を心がけるようアドバイスした。
生理が近づくと甘いものが食べたくなるメカニズム。精神的にも不安定になりやすい時期なので、ご褒美としてチョコレートを食べるなど適度に自分を甘やかして過ごしてみて。
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