■ワイン用が台無し…深刻被害
暗闇のなか、カメラが捉えた1頭のクマ。場所は青森県むつ市にあるワイナリーのブドウ畑です。クマは物色するようにウロウロ。約10分後、再びカメラの前に現れます。警報音が鳴り響きますが、動じる様子は全くありません。視線の先には、まさにこれから収穫を迎えるブドウが…。
エムケイヴィンヤード 築舘文徳圃場管理部長:「(ブドウ畑のネットを)下げてここから入るか、ここでこのまま食べているかどっちかだと思う」
ブドウの実はほとんど食べられ…。こちらでは先月29日から食害が確認されています。食べられたブドウは約3000房。ワインにすると約350本分にもなります。
動物研究家 パンク町田さん:「ツキノワグマですよ。あまり年を取っているように見えない。クマは甘いものが大好きです。食肉目の動物だが、実は甘みを感じる味蕾(みらい)も発達していて、複数(のクマによる被害)だと思うが、1頭でも3000房くらい荒らすのは可能」
複数いるとみられているクマ。ブドウ畑には警報装置も設置していますが…。
エムケイヴィンヤード 築舘文徳圃場管理部長:「赤色灯みたいに点滅するんです。結構な音も出るんですけど、うちの監視カメラに映っているのを見ると全く動じることもなく、『何?』っていう感じで、クマは」
動物研究家 パンク町田さん:「音や光に慣れてしまったんでしょうね。クマは学習能力が高いので音の種類を変えるとか、プラス他の刺激も加えるとか次のことも考えないとダメ」
■全国的に出没“過去最多ペース”
青森県の4日までのクマ出没件数は412件。去年の同じ時期より151件増えています。全国的にみても4月から7月末までのクマの出没件数は7967件。過去最も多いペースだといいます。クマの生態に一体、何が起きているのでしょうか。
動物研究家 パンク町田さん:「やはり今年は夏の訪れがちょっと早かったことかなと思う。秋の実りが付く前に森の作物が枯れてしまったのかな。森の食べ物が減ってしまったので足りない分を補充するため街に下りてきている可能性がある」
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