今年のバーガーキングはハロウィーンイベントの会場ではありません――。ハンバーガーチェーン大手の「バーガーキング」を運営するビーケージャパンホールディングス（東京都千代田区）は27日、ハロウィーン当日の31日に東京・渋谷の渋谷センター街店を臨時休業すると発表した。ユニークな動画とともに単刀直入に休業を伝える案内がネット交流サービス（SNS）で話題を呼んでいる。
ハロウィーン期間中の渋谷駅周辺は仮装した人などが密集し、トラブルが多発して社会問題化している。今年は新型コロナウイルス禍が一段落し、訪日外国人も増えていることから一層の混雑が予想される。
渋谷センター街店で過去に迷惑行為などのトラブルが発生したことはないというが、今回の休業については「顧客やスタッフの安全を確保するため」と説明。こうした措置をとるのは初めてという。X（ツイッター）に臨時休業を伝えるリリース画像と30秒の動画を投稿し、画像には日本語と英語で「ハロウィーンイベントの会場ではありません」と宣言。動画は、廃虚のような店舗にゾンビが現れて店員を襲い、ハンバーガーをほおばろうとすると休業が告知される内容。
渋谷センター街店は2019年のハロウィーン期間に「ゾンビ向け」として廃虚の装飾で営業しており、映像に出てくる店もその店舗を思わせる。来店するゾンビはライバル店のキャラクターに似ており皮肉が利いている。Xには休業について「よい判断」「ほかの店も全部閉めたらいいのに」といった意見が寄せられている。
渋谷区は韓国で昨年起きた雑踏事故などを受け、「渋谷駅周辺にこないで」と異例ともいえるコメントを出して警戒を強めている。渋谷駅周辺に「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」と記した看板や横断幕を設置。迷惑行為を増長させる飲酒行為を条例で禁止し、渋谷駅前の「ハチ公像」周辺に囲いを設けて28日から11月1日まで封鎖する。バーガーキングの案内の文言は、渋谷区のメッセージと重なる表現になっている。【嶋田夕子】
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