長野県上田市にある「道と川の駅 おとぎの里」の食堂では、「馬鹿バーガー」というご当地グルメを販売している。
バカバーガー...?と多くの方が読んだと思うが、正しくは「うましか」バーガーである。文字通り馬と鹿の肉をパティにしたハンバーガーで、「小馬鹿バーガー」「馬鹿バーガー」「大馬鹿バーガー」の3種類。直球すぎるがインパクトある名前だ。
この馬鹿バーガーはツイッターユーザーの徳山健司(@tokuyamakenji)さんが2020年5月23日に紹介したところ、
「小馬鹿バーガーが絶妙に腹立つなあ」
「ネーミングはともかく馬そうですね」
などとコメントが寄せられ、話題になった。
馬鹿バーガー、いったいどんなメニューなのだろうか。
スタッフ全員「バカバーガー」と呼んでいる
Jタウンネットは26日、高校生のころから馬鹿バーガーの開発に携わり、現在は「道と川の駅 おとぎの里」の食堂で働く石井芙美香さん(27)に取材した。
石井さんによれば、馬鹿バーガーは17年4月29日から食堂のメニューになった。商品を考案したのはおとぎの里の代表を中心とした地元のメンバーだ。10年ほど前から、地元のイベント等で販売していたが、当時は鹿肉の加工施設が近くになく、パティを手作りして販売していた。
パティには長野で駆除された鹿の肉が使用されている。石井さんは馬鹿バーガーを販売するようになった経緯を次のように話している。
「地元の猟師から『里山を荒らす鹿が増え、駆除する鹿が多くて困っている』と相談を受けており、その有効利用として販売していました。16年に鹿肉を安全に処理してくれる工場が見つかったため、おとぎの里での発売に至りました」
左から小馬鹿バーガー、馬鹿バーガー、大馬鹿バーガー(画像は「道と川の駅 おとぎの里」提供)
馬鹿バーガーの名称は地元のメンバーでつけた。読みをあえて「うましか」にしたのには何か強いこだわりがあると筆者は踏んでいたが、石井さんは取材中ずっと「バカバーガー」と呼んでいた。
聞けばスタッフ全員「バカバーガー」と呼んでおり、リピーター客にも浸透しているという。なぜ商品名をそれにしなかったのか聞いてみると、
「あんまりバカバカ言っちゃいけないですよねーということで『うましか』です。『馬鹿バーガー』という名前に愛着と興味を持って食べてもらえれば」
と話していた。
「駆除される鹿がいなくなれば、やめてもいい」
馬鹿バーガーのパンは、上田市産の米粉を使った地元のパン屋による手作り。トマト、ソース、マヨネーズ、そして馬と鹿のパティ80グラムで550円だ。「小馬鹿バーガー」はパン、ソース、パティで500円、「大馬鹿バーガー」は馬鹿バーガーのパティを150グラムにして650円となっている。
鹿肉はクセがあるイメージを持つ人もいるが、食べた後に「何のお肉?」と驚く人もいるほどクセは残らない。客の年齢層は幅広く、先日は80代のおばあさんが食べに来たそうだ。
この馬鹿バーガーは、gooランキングが20年5月15日に発表した「超個性的!想像がつかないご当地バーガーランキング」でトップに選ばれた。
その件をツイッターで知ったという石井さんは、ランキングで1位になったことと、それに対する反響の大きさに驚いている様子。売上も「先週末は通常の2~3倍になった」といい、効果は絶大だ。
その一方で、馬鹿バーガーの販売目的はあくまで駆除した鹿肉の有効利用だという考えに変わりはなく、
「駆除される鹿がいなくなれば販売をやめてもいいと思っています。その日がいつになるかはわかりませんが、コンセプトはぶらさずに売っていきたいです」
としている。
コンセプトに理解がある人とは「販売を一緒にやっていきたい」とも意気込む石井さん。すでに「おみやげ処 菜の花館」(小県郡長和町)で、同様のパティを使った馬鹿バーガー(具材は異なる)が販売されている。
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May 30, 2020 at 09:00AM
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このネーミングは狙ってる... 悪口にしか見えないジビエ料理「馬鹿バーガー」に注目 - グルメ - Jタウンネット
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