食事。それは生活の基本。良いゲームライフも良い食事あってのものです。
ロシアでは「GAMER FOOD」というゲーマー向けフード(まんま)が販売されているとか。イギリスのゲームショップ・GAMEはホリデイシーズンのゲームプレイに専念できるようクリスマスディナーの缶詰「Christmas Tinner」を販売したりもしました。ゲーム周辺機器メーカーのホリが14年前に発売した喫食アタッチメント「ショクシ(SHOCK-C)」も印象深いですし,昨年は森永製菓からinゼリーのゲーマー向けバージョン(関連記事)が出たりもしています。
筆者も牛めしとか牛カルビ丼とかビビン丼とかブラウンソースエッグハンバーグ定食とかで,日々エネルギー摂取に勤しんでいます。カレーは創業ビーフカレーやごろごろ煮込みチキンカレーとかよりも,オリジナルカレーの方が良いと思います。
というわけで,今回は“食”をテーマにしたゲーム「Gourmet Warriors」でやっていきましょう。
アメリカ・テキサス州のPiko InteractiveがSteamで販売している「Gourmet Warriors」は,ヴァージンインタラクティブエンタテインメントから1995年に発売されたスーパーファミコン用ソフト「美食戦隊 薔薇野郎(ぐるめせんたい ばらやろう)」の英語版です。ヴァージンインタラクティブエンタテインメントの国内法人は1997年ごろに活動を終了しているうえ,イギリスの本社は2002年にTitus Interactiveの完全子会社となり,Avalon Interactiveへの社名変更を経て,2005年のTitus Interactiveの破産とともに消滅。辛うじてスペインの系列会社・Virgin PLAYは生き延びたものの,それも2009に清算・消滅。詳しい経緯は不明ですが,そんなこんなで放出されたIPを,2017年にPiko Interactiveが買収したそうです。
ちなみにTitus Interactiveが破産した影響で,資本関係にあったInterplay Entertainmentが大規模な負債を抱え,「Fallout」シリーズのIPをBethesda Softworksへ売却することになったのだとか。歴史だなあ。
スーパーファミコン版を開発したのは,メサイヤの「ジノーグ」や「超兄貴」,テクノスジャパンの「超人学園ゴウカイザー」などに携わり,濃厚なタッチのグラフィックスに定評があったウインズ。公式サイトの事業実績を見ると,近年は「文豪とアルケミスト」や「ときめきレストラン☆☆☆」などに携わっているんですね。時代やニーズは変われど,男の描き方に定評があるということか……?(※エフェクトやモデリング,美少女系のイラストなども多く手がけています)
あと「アークザラッド」ってウインズの企画だったんですね。ソニー・コンピュータエンタテインメントやジークラフトの名前が出がちなので,初めて知りました。
ヴァージンインタラクティブエンタテインメントから発売されたゲームの一部は出荷本数が極端に少なく,ドイツ開発・英語テキスト・日本のみで発売の国際的タイトル「レンダリング・レンジャーR2」や,将棋シューティングという怪ジャンルの「将棋三昧」は中古市場において高値で取引されています。「美食戦隊 薔薇野郎」も同様で,完品美品なら4〜5万円の値がつくほど。
それが2018年,ROMカセットの復刻版となって発売されました(国内版はBLAZEPROが製造・販売,コロンバスサークルが代理店を担当)。超プレミアタイトルが,お手頃価格で購入可能に! そして2019年7月にSteamでも登場! SFC/SNES互換機(または実機)が無くてもPCさえあればプレイ可能に!
そんな「美食戦隊 薔薇野郎」は,カプコンの「ファイナルファイト」に代表されるベルトスクロール形式のアクションゲーム。このジャンルには「ダブルドラゴン」や「エイリアンVSプレデター」,「ベア・ナックル 怒りの鉄拳」,近年では「ドラゴンズクラウン」など,爽快感とシビアな戦いを両立させた名作が散見されますが,その一方でバカゲーの多さも特徴的です。アイレム(旧)の「アンダーカバーコップス」,エス・エヌ・ケイの「バーニングファイト」,アルファ電子の「ニンジャコンバット」! そして本作は完全にバカゲー系!
ストーリーは,生き残るためには筋力・テクノロジー・プロテインが必要となった第三次世界大戦後の世界で,サイボーグ戦士が悪の組織に立ち向かうというもの。タイトルの“薔薇野郎”は,主人公達を見た政府首脳が顔面蒼白に「薔薇野郎」と口走ったからだとか。なんだそれは。
敵もモアイ状のホバー兵器に乗った小人や,腕がズゴックみたいなビキニ姿の美少女,装甲化バニーガール,胸板の厚いシルクハット男爵など,アクが強いキャラクターばかり。ただ戦闘システムは割とシンプルで,拾って使う武器や特殊なステージギミック,乗り物などは存在せず,攻撃が発動するのは1ボタンのみです。技のコマンド入力に[L/R]ボタンを使うのは特色ですが,あとは十字キーとジャンプボタン,ポージングボタン(かっこいいポーズをキメるボタン)だけ。スーパーファミコン用コントローラのボタン配置で標準設定の場合,[X]ボタンは何の機能もアサインされておらず,一切不使用となります。筋肉さえあれば小細工など不要ということか……?
本作最大の特徴は,タイトルにもある“美食”の要素でしょう。敵は種類と倒し方に応じて食材をドロップし,それをステージクリア時やラスボス直前の“ディナータイム”で2つ組み合わせて調理することにより,体力を回復します。食材の入手や特定のアイテム取得でもわずかに回復できますが,頼れるほどの回復手段はディナータイムのみ。この要素は“ライフアップグルメシステム”と名付けられています。なんだそれは。
回復量はキャラクターと料理の組み合わせによって固定なので,回復量が大きい料理の食材を得るべく,敵を最適な手段で倒す必要があります。ただ,マニュアルが無いため技を出すコマンドが分からないのがPC版のマイナスポイント。まあ,マニュアルがあったとしても,食材の組み合わせで作れる料理,料理とキャラクターの相性,食材を出させる技は調べなければならないという,根本的な難点もありますが。
ただPC版は3スロットのステートセーブを行えるので,後半面だけを遊びたかったり,コンティニュー不可となる高難度設定でのクリアに挑戦したりするときには便利です。
繊細なキャラクターグラフィックスと豊富なアニメーションパターン,裏技でザコ敵を自機にした場合エンディングデモにも反映されるなど,突き抜けたバカゲーっぷりと同じくらい作り込みは丁寧な本作。特定アイテム入手時に出現する“ぶんしん”との疑似2Pプレイや,技のコマンド入力が速ければ攻撃力が上昇するシステムなど,おもしろいエッセンスもいろいろと含まれています。
ただ,ゲームデザインはけっこう荒削りで,例えば強制ダウンを取れるスライディングダッシュ攻撃は,ダウンさせた敵の起き上がりに重ねることで簡単にハメを取れます(一部ボスにもある程度有効)。敵の攻撃には,妙にヒット判定が大きい&発動後に残るものがあったりも。
バカゲー的な面白さに目をつぶってゲームとしての評価を下せば,ステージや敵のボリュームが多くないこともあって,「大味な並盛り」といった印象です。盛られた丼の奇抜さに関しては,間違いなくスーパーファミコン用ソフトの中でトップクラスと言えますが。
Piko Interactiveは本作のほか,コモドール64などでリリースされたアクションゲーム「Head over Heels」のリメイク版,MS-DOS用のコミカルFPS「Super 3-D Noah's Ark」の移植版など,50タイトルのレトロゲームをSteamで販売中。また,開発されたものの未発売となっていたニンテンドウ64版「40 Winks」を製品化したり,ブラジルのみで少数販売されたメガドライブ版「Duke Nukem 3D」を再生産したりと,フィジカル商品の展開も積極的に行っています。
"バーガー" - Google ニュース
May 09, 2020 at 12:52PM
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レトロンバーガーOrder 37:PC版「美食戦隊 薔薇野郎」がSteamで売ってる。プレミア価格のグルメ垂涎タイトル,食べてみると案外大味編 - 4Gamer.net
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