体重を減らすために最適な朝食が、つまらなくて味気のないメニューだったり、そもそも食欲をそそられない食べ物であったりする必要はない。
痩せるためには、たしかにカロリーを減らさないといけないけれど、脂肪を落とすには、たった1回の食事ではなく、1日単位、週単位、月単位で全体のカロリー摂取とカロリー消費で考えることが大事。
それなら、ヘルシーな食生活を送ったほうが、一般的にはより簡単にカロリー不足を達成できるのは当然だ。大好きな食事を、正しく置き換えることでヘルシーな朝食に変えることができるのだ。
「体重減は、基本的には、摂取した以上にエネルギーを消費することで達成されます。言い換えれば、カロリー不足になることです」と、クラリッサ・レンハー(Clarissa Lenherr)。「だからといって、あまり食べないとか、低カロリー食品だけ重視するということではなく、スナックや量にマインドフルになり、食べ応えがあって満足感が得られ、エネルギーがゆっくりと放出される源になるものをしっかりと食べることが大事なのです」
朝食を抜きたい? それなら、考え直して。朝食は体重減に役立つことは科学的に証明されていて、アメリカのNational Weight Control Registryによると、朝食を食べる人のほうが食べない人より、たいていの場合は体重が軽いという。また、American College of Cardiology(米国心臓病学会)のリサーチから、朝食を食べないと心臓病につながることもわかっている。
「ヘルシーな朝食は、その日1日の燃料として適切な主要栄養素を供給するだけでなく、食事と食事の間にビスケットの袋に手を伸ばさなくていいように満足感を与えるものでなければなりません」と、ローレン・ウィンダス(Lauren Windas)もシェアする。
ウィンダスがオススメする朝食とは以下のものだ
- 比較的低カロリー(400カロリーが目標)である
- 満足感がより持続するように高タンパクである
- 脂肪を蓄えるホルモンであるインスリンが急上昇しないよう、砂糖(精糖)をあまり含まない
- 消化に時間がかかる植物性のヘルシーな炭水化物で、繊維質が豊富
では、これらを実際に実現するのは、どんな食品や食材になのだろう? 400カロリーを限度に、12のヘルシーなベスト朝食メニューを考えてみた。これを入れた3度の食事と間食で1日合計1500カロリーが、安定して持続的に体重を落としたい場合にNHS(イギリスの国民保健サービス)が推奨しているカロリーで、上記2人の栄養士も目標にしている数字だ。
これらの効果的な朝食メニューの特別なポイントは? 栄養士が厳選したメニューだから、重要なビタミン類やミネラル類、抗酸化物質、微量栄養素がちゃんと含まれているということだ。
体重を減らす12のおいしい朝食メニュー
1:オーツ麦とベリー類が入ったヨーグルト
オーツと、生もしくは冷凍のベリー類をトッピングしたシンプルなギリシャヨーグルトは、体重を落とし、午前11時頃になるとお腹がゴロゴロと鳴るのを防ぐためにもいいと、レンハー。
効果的な理由は?
ヨーグルトは低カロリーで高タンパク(125gで約60カロリー、タンパク質は19g)だから、満足感が持続する。無糖タイプのギリシャヨーグルトを選ぶのことを忘れずに。
「ヨーグルトはタンパク質とヘルシーな脂肪の宝庫。生きた培養菌タイプを選べば腸の健康にもいい。ジャンボオーツが食事に複合糖質と繊維質を加え、ベリー類には抗酸化物質が多く含まれています」と、レンハー。
2:スムージー
スムージーには糖分が多く含まれ、高カロリーの場合もあり、よく悪者扱いされているけれど、適切な材料でいっぱいにすれば、1日のスタートに完璧。
効果的な理由は?
考えてみれば、フルーツや野菜、牛乳、氷と、スムージーの材料のほとんどはかなり低カロリー。つまり、ビタミンやミネラルはたくさん摂っているけどカロリーはそれほど摂っていないということ。レンハーのレシピにトライしてみては? 「私のお気に入りは脂肪(アボカド、ナッツバターかココナツミルク)にタンパク質(プロテインパウダーや、ナッツあるいはシード類)、低GI(グリセミック指数の低い)のフルーツ(ベリー類やリンゴ)、たくさんの野菜で作るスムージーですね」
3:ナッツバターを塗ったライ麦パンのトースト
ベリー類とナッツバターを乗せれば、ヘルシーでバランスのとれた朝食が完成。ただし、トーストの上にピーナツバターをひと瓶塗りたくったりしてしまわないように気を付けて。残念ながらそれは、体重を落とす朝食とは認められない。
効果的な理由は?
「ライ麦パンは繊維質がたっぷりで、複合糖質ですから、満足感とエネルギーが得られます。ライ麦パンのスライスに、粒の歯ごたえを残した(クランチータイプの)ピーナツバター(自分のお気に入りのものでいいけれど、必ず糖分無添加タイプを選んで、健康的メリットを最大限に考えよう)をテーブルスプーン1杯分塗って、ベリー類を乗せます」と、レンハー。
4:野菜入りオムレツ
卵は万能食材で、まさにヘルシーでバランスのとれた朝食を作るチャンピオンだと、ウィンダスもレンハーも同意見。野菜を加えて繊維質摂取量もアップ。
効果的な理由は?
卵は低カロリーでタンパク質とヘルシーな脂肪がたっぷり。「野菜入りオムレツはタンパク質摂取量を増やす(卵1個には普通タンパク質が6g)ので、満足感が持続するだけでなく、繊維質やビタミン、ミネラルが豊富で低カロリーの野菜と簡単に組み合わせることができます」と、ウィンダス。それに、「卵黄には有益な脂肪や、コリンやビタミンDといったビタミン類も豊富です」と、レンハー。
5:朝食用マフィン
残念ながらチョコレートタイプではなく、卵と組み合わせた朝食用マフィンだ。
効果的な理由は?
「前述したように、卵は低カロリーで栄養素が詰まっています。野菜やハーブを使って焼くと、とても軽くフワフワした美味しい朝食マフィンができます。これに、グリーンサラダを添えれば、その日1日舌も満足させる低カロリーの朝食になりますよ」と、ウィンダス。彼女のお気に入りは、サンドライドトマトとチャイブを入れたバージョンだ。
6:ポリッジ
昔ながらの定番ポリッジが愛されるのには、栄養的な理由がある。
効果的な理由は?
量に気を付け、トッピングを盛りすぎさえしなければ、ポリッジは低カロリー(45のオーツ麦は150カロリー)でありながらゆっくり放出される糖質と繊維質が豊富。ちょっと変化させたい? その場合は「キヌアは優れた植物性タンパク質の供給源(必須アミノ酸がすべて含まれているのでビーガンやベジタリアンにも最適)で、昔から人気のあるオーツに多様性を加えて、ポリッジの代用として優れています。トッピングには、ベリー類でビタミンCを、アーモンドをひと掴み加えてヘルシーな1価不飽和脂肪酸をプラスしましょう」と、ウィンダス。
7:シャクシュカ
減量計画にピッタリの“素晴らしく美味しい卵料理”とウィンダスがオススメするアイディア。
効果的な理由は?
「低糖質で高タンパクな料理で、ランチタイムが来るまでお腹がもちます」と、ウィンダス。緑の葉野菜を加えれば、栄養がさらにアップ。
8:チアプディング
チアシードを使ったデザート、聞いたことある? 好きなミルクにチアシードを浸して、ひと晩冷蔵庫に放置しておくだけで簡単にできる。
効果的な理由は?
「チアシードは繊維質、ビタミン類、ミネラル類、オメガ3脂肪酸がすばらしく豊富で、タンパク質の完全な供給源です」と、ウィンダスがシェア。レンハーも同意するが、量に気を付けるよう警告。脂肪含有量も多いので、体重を減らしたい場合は注意して。
9:炒り豆腐をのせたトースト
ビーガンダイエットをしている人に朗報。菜食主義者にも、体重を落とすための朝食のチョイスはいろいろある。まずは、豆腐をのせたトースト。シンプルでおいしい1日のスタートが切れる(カロリーコントロールした方法で)。
効果的な理由は?
「豆腐は、腹持ちをよくするタンパク質の優れた供給源で、スクランブルエッグの代用品としていいアイディアです」と、ウィンダス。加えて、スクランブルした豆腐と、シード入りのトーストで約360カロリーと、1週間、1食あたり400カロリー以内のガイドラインに収まっている。
10:パンケーキ
パンケーキ?いろいろなタイプがある(バナナパンケーキ? そば粉パンケーキ? プロテインパンケーキ?)けれど、400カロリー以内で、精糖がたくさん使われていなくて、新鮮な材料を使って愛情を込めた手作りのものであれば、パンケーキは栄養たっぷりの朝食になる。
効果的な理由は?
使う材料次第で、パンケーキは繊維質とビタミン類、ミネラル類豊富になる。「そば粉を使ったリンゴとバナナのパンケーキにベリーを添えたものが大好きです」と、ウィンダス。「グルテンフリーで乳製品フリー。主要栄養素のバランスがとれていて、甘いもの好きも満足させる食べ物が欲しい場合は、週末の朝食に最適です」。
11:スモークサーモンと卵をのせたトースト
週末のお気に入りは、適切な栄養素と風味たっぷりでバランスのとれた、このブレックファスト。
効果的な理由は?
「タンパク質とオメガ3脂肪酸が豊富なスモークサーモンは、特にポーチドエッグのトロトロの卵黄と、ライ麦パンと組み合わせると、おいしい朝食になります」と、ウィンダス。
12:プローツ
プローツ(proats:“プロテイン=protein ”と“オーツ=oats”からの造語)にトライしてみたこと、ある?。まだなら、損をしているとウィンダスは言う。「プロテインパウダーとポリッジのオーツを合わせると、最高においしくてヘルシーな朝食になります」。
効果的な理由は?
上記の通り、高タンパク(ビックリするほど)で、ゆっくり放出される糖質が多くて、カロリーはそれほど高くないので、ウエイトロスの道のりを正しい軌道にのせてくれる。「スライスしたバナナ、クコの実(ゴジベリー)、チアシードを加えると、風味も栄養価もアップします」と、ウィンダス。
Translation: Mitsuko Kanno From Harper's BAZAAR UK
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