バーガーキングのインスタグラムに異変? セレーナ・ゴメスやレディ・ガガといったセレブたちと同じ方法で、「仲間」の救済に乗り出す。(フロントロウ編集部)
英バーガーキングのインスタグラムに異変
バーガーチェーンのバーガーキング(Burger King)といえば、SNSを使ったユニークで一風変わったプロモーションに力を入れており、フォロワーからの質問にユーモアたっぷりな回答を返したり、一方的に敵視しているマクドナルドに挑発的な態度をとったり、巷でバズっている話題に首を突っ込んでみたりと、あの手この手で世間の注目を集めている。
そんなバーガーキングのイギリス国内での店舗運営を統括するバーガーキングUK社の公式インスタグラムアカウントに12月半ば頃から異変が起きている。
「ワッパー」と呼ばれる定番バーガーや、季節ごとに登場する新メニューなど、同社がプッシュしている商品の写真が並んでいるかと思いきや、12月14日以降に投稿された写真はすべて、バーガーキングではない別の飲食店のおすすめメニューの写真ばかり。
ジャンルもバラバラで、「もしや、ハッキングでもされたのでは?」と心配になってしまうが、じつはこれ、バーガーキングUKが乗り出した、新型コロナ禍で売り上げが低迷する地域のレストランを応援するための救済策。
いつもは、高飛車で上から目線な発言が目立つバーガーキングだが、このキャンペーンの開始に合わせて、こんな胸が熱くなるメッセージを公開していた。
人生にはワッパー以上のものが存在します。
ロティ・キング、サルタンズ・プレイス、テヤブズ、エコー、ダンプリングス・レジェンド、オキーズ、ダマク、プラツキ…(※地域のレストランの名前)。つまり、ワッパーと同じくらい有名になる価値がある、何千軒というレストランの素晴らしいメニューが存在するんです。イギリスでの多くの地域で、新型コロナウイルスへの警戒レベルが引き上げられるなか、個人経営の飲食店は、私たちみんなの支援を必要としています。
そのため、私たちは、ハンバーガーの写真を投稿するのを一旦ストップし、これらのレストランにインスタグラムを明け渡すことを決断しました。彼らが再び店を開けられるまで、無料で宣伝をしてもらいます。
サービス業に従事しているみなさん、私たちのインスタグラムであなたたちのおすすめメニューを紹介して欲しい場合は、#WhopperAndFriends(ワッパーと仲間たち)というハッシュタグを添えて、インスタグラムへの投稿を行なってください。
同じく新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なフランスでも、同様のキャンペーンが行われている。
セレーナ・ゴメスやレディー・ガガも セレブたちが実践する方法
自分のプラットフォーム(発言の場)を一時的に、より知名度の低い人や団体、企業に“乗っ取らせる”という方法は、シンガーのセレーナ・ゴメスやレディー・ガガが、2020年5月にアメリカから世界へと拡大した人種差別抗議デモ「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター/黒人の命も価値がある)」を支援するために実践した方法。
英語では「インスタグラム・テイクオーバー(instagram takeover)」と呼ばれるこの方法は、おもに、企業やブランド、メディアなどがセレブやインフルエンサーに依頼して、一時的な“乗っ取り”を通じて動画や写真などを投稿してもらう人気のマーケティング・PR方法だが、セレーナやガガは、この方法を逆に活用し、もちろん無料で、反人種差別を唱える活動家たちに情報発信の場を提供した。
2人のほかには、シンガーのショーン・メンデスやリゾ(Lizzo)も、この方法を実践していた。
バーガーキングUKは、インスタグラムのグリッドだけでなくストーリーでも国内の個人経営のレストランを紹介している。
イギリス政府は、12月19日、感染力が最大70%ほど強い可能性がある新型コロナウイルスの新たな変異種が発見されたことを発表。それに伴い、多くの地域で警戒レベルが4(自宅待機)へと引き上げられた。飲食店はテイクアウトのみの営業に限定されるため、さらに大きな打撃を受けることが予想される。(フロントロウ編集部)
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