北海道のオホーツク海沿岸は流氷の着岸で有名です。その海岸線を走る観光列車があります。その名も「流氷物語号」。2017年からJR北海道と沿線自治体、地域の人々が協力して運行しており、来年(2021年)で5周年になります。この冬も、2021年1月30日から2月28日までの毎日、釧網線の網走駅〜知床斜里駅間を1日2往復で運行する予定です。
流氷物語号はディーゼルカー2両編成で海沿いの線路を走り、車窓から流氷の海を眺められます。反対側の車窓は真っ白な原野。北海道ならではの景色の1つとして、旅行ファンや鉄道ファンに人気の列車です。下り列車は途中駅の北浜に10分停車します。「オホーツク海に一番近い駅」として展望デッキがあり、遠くまで海を見渡せます。上り列車は浜小清水駅に20分停車します。隣接する道の駅で特産品のショッピングを楽しめます。つまり1往復で両方楽しめます。
2021年の運行は車両がグレードアップ。観光車両「北海道の恵み」で運行するため、乗り心地が格段に向上します。
さらにもう1つ、新たな企画が盛り込まれました。1987年に発売されたファミコンゲーム『オホーツクに消ゆ』とのコラボレーションです。
『オホーツクに消ゆ』は、ファミコン世代のほとんどがご存じであろうミステリーアドベンチャーゲームです。東京・晴海埠頭で殺人事件が発生。プレイヤーは刑事として行動します。被害者の足跡をたどり、舞台は北海道・釧路へ。刑事たちの捜査旅が始まります。手掛かりを追ううちに、オホーツク海沿岸の北浜で第2の事件、網走港で第3の事件が起きます。そして背後に浮かび上がる過去の陰謀……。
当時、子ども向けのゲームが多い中で、まるで2時間ドラマのようなシリアスな物語でした。子どもだけではなく大人も巻き込んで大ヒット。ゲームプレイをきっかけに北海道を旅した人も少なくないはずです。
私も釧網本線を旅したときは北浜駅や博物館網走監獄に立ち寄り、ゲームの登場人物へ思いをはせたものです。観光みやげの1つ「ニポポ人形」を買い求め、ゲームのアイテムにちなんで、自分で右目の下に涙を彫りました。
30年以上前に発売され、現在は入手困難なゲームとのコラボがなぜ実現したのか。そこには、『オホーツクに消ゆ』のファンであるオジサン(笑)たちの執念のドラマがありました。
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