地元の水産物を活用し、新たな看板料理を作る動きが伊勢志摩地域で進んでいる。県立宇治山田商業高の生徒らはウツボを使った「ウツボバーガー」を、鳥羽市観光協会などはヒジキやアオサなどによる海藻料理を考案。地産地消を進めるとともに、新たな地域の目玉に、と関係者は意気込んでいる。
伊勢エビや小魚などを食べ、特徴的な見た目から「海のギャング」などと呼ばれるウツボ。一般にはあまり流通しないが、鳥羽市など地元ではから揚げなどにして食べられている。
ウツボバーガーを考案したのは、宇治山田商業高3年の4人。環境問題に取り組む中で、近年、増加傾向にある低利用魚のウツボの活用を思い立った。
水揚げされたウツボの身をつぶして、フライ状にしたものをパテとして使用。ピクルスの代わりに伊勢たくあんをタルタルソースに使い、伊勢うどんのタレを加えるなど地元らしさにこだわったという。白身のあっさりとした味で、食感はしっかりとしている。
10月末までの期間限定で、近鉄鳥羽駅構内の「かもめテラス鳥羽」で、一つ750円(税込み)で販売されている。
4人は22日、鳥羽駅などでPR。「ウツボは見た目が怖くて、あまり食べられていないので、あえて食材に選んだ。老若男女が食べるハンバーガーにしたので、ぜひ味わって」と話していた。
◎
一方、鳥羽市内でとれる海藻は、ヒジキやアオサ、クロノリなど種類が豊富で、伊勢神宮にも奉納されてきた。海藻は市民生活や年中行事と結びついている点が評価され、観光庁から「看板商品創出事業」の採択を受けた。市観光協会は海藻を通した「鳥羽うみ文化」の発信に昨年から取り組む。
海藻は料理では脇役の印象だが、前面に出した看板料理を作ろうと20日、鳥羽商工会議所で、市内の観光施設や旅館、カフェの計6団体が参加して、新メニューの試食会が開かれた。
アカモク入りドレッシングをかけたカルパッチョや、アワビを入れたところてん、アオサを含んだプリンやフラペチーノなど計9品目が登場。
地元漁協の関係者、市職員ら参加者の間では、おおむね好評だったが、「香りはいいと思うが、嫌がる人がいるかも」「海藻を使っているインパクト(衝撃)がもうちょっとほしい」などの注文も出た。
市観光協会の寺田順三郎会長は「これをきっかけに、すばらしい料理を作りたい」と力を込めた。
10月は語呂合わせで「鳥羽の月」として、多数のイベントが市内で開催される。市観光協会などは同29日、試食会の品目に改良を加えた新たなメニューを観光施設「鳥羽マルシェ」や、市立海の博物館、鳥羽展望台で提供する予定だ。
からの記事と詳細 ( ウツボバーガーがぶっと 伊勢志摩の水産物活用 海藻の看板料理も - 読売新聞オンライン )
https://ift.tt/Mjm8FbC
No comments:
Post a Comment