これから旬を迎える魚といえば、アンコウだろう。大産地の一つ、新潟県糸魚川市で、揚げたアンコウの身をバンズで挟んだ「あんこうバーガー」を発売したところ、神奈川や富山など県外からも食べにくる人がいるほどの人気となっている。
記者も噂を聞きつけ食べに行ったところ、ボリュー満点でおいしかった。バンズを両方から押しつぶし、口に入る大きさにしてからほおばると、バターの香りがうっすらと漂う。続いて、チリソースのスパイシーな味が口に広がり、アンコウのプリプリの身からうまみがあふれて出てきた。アンコウの身は、揚げてもプリプリの食感は変わらないのだそうだ。
あんこうバーガーを開発したのは、新潟県立海洋高校(糸魚川市)の部活動「食品研究部」の部員たちだ。同校は海洋、水産のスペシャリストを養成する学校で、生徒数約230人。同部は、地元の魚などを使った加工食品を開発し、日本海沿いの道の駅「マリンドリーム能生」(同市)内にある同校のアンテナショップ「能水商店」で販売、地域活性化に一役買っている。あんこうバーガーも同店で販売している。
プロが指南
開発に携わった1年生部員の大矢海斗(かいと)さん(16)は「開発で一番苦労したのはソース作りだった」と振り返る。
揚げたアンコウの身と合うソースは、中華風なのかタルタルなのか。それともそれ以外なのか。さまざまなソースを試し、東京からハンバーガー開発の専門家を呼んでアドバイスをもらった結果、チリソースに決まった。
販売担当の3年生の伊藤幸貴さん(18)は「スパイシーなチリソースは、うまみが凝縮されたアンコウの身とよく合う」と太鼓判を押す。
10月8日からの3連休に新発売イベントを実施したところ、1日目118食、2日目146食、3日目132食を売り上げた。開発に携わった部員の一人、八木瑠海空(るうく)さん(16)は「1日100食いけばと考えていたが、予想以上の売れ行きだった。県内はもとより、神奈川、富山、長野からもあんこうバーガーを食べにきてくれた」と笑顔を見せた。
気になる価格は、単品が1千円、ポテトフライとのセットが1250円。
地域貢献
あんこうバーガーの開発は、糸魚川市観光協会から「アンコウを使ったメニューを何か考えてほしい」と依頼され、スタートした。
同市では、例年1~2月に「あんこう祭り」が市内3カ所で、旬を迎える12月から翌年3月には市内各地で「あんこうフェア」も開催されている。そんな特産品のアンコウを全国にPRするようなメニューを考えてほしいというわけだ。
同校の元教員で能水商店を運営する松本将史社長(44)は「海洋高や食品研究部の大きな目標の一つは地域貢献。地元産の水産物を使って売れそうな加工食品を開発し、人を呼び込み地域活性化に貢献する。能水商店も社員16人を抱えており、地元の雇用にも貢献している」と説明する。
海洋高は県立高校であるため、営業目的で店を経営することはできない。そこで、能水商店が実習の場として店を提供している。同校生徒が考案した新たな「冬の味覚」をぜひ一度、味わっていただきたい。(本田賢一)
【アクセス】 「マリンドリーム能生」 北陸自動車能生インターチェンジから車で約5分。465台分の無料駐車場あり。電車なら、えちごトキめき鉄道の日本海ひすいライン能生駅からタクシーで約5分。
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