Pages

Monday, January 16, 2023

ドミノ・ピザ、見た目はピザな「バーガー」を発売 なぜバンズで挟む形にしなかったのか? - ITmedia ビジネスオンライン

simpangsiuur.blogspot.com

 ドミノ・ピザ ジャパンは1月16日、ビーフパティとピザチーズをたっぷり使った「バーガーピザ・クワトロ」を期間限定で発売する。見た目はピザだが、食べるとバーガーという不思議な体験を提供し、バーガーファンを取り込む。

 新商品の「バーガーピザ・クワトロ」は、日本人好みの「ビッグダックバーガー」、濃厚でまろやかな「ドミ“ノス”バーガー」、本場である米国の味「チェダーベーコンバーガー」、素材の味わいを生かした「D‘s(ディーズ)絶品チーズバーガー」の4種類を1枚で味わえるようにした。

ドミノ・ピザは新商品を発表した(画像:以下、プレスリリースより)

 筆者は新商品発表会に参加して非常に驚いた。既存顧客とのカニバリズムを懸念して、グルメバーガーのような高価格帯商品が出てくると思っていたのだ。しかし、実際に出てきたバーガーの見た目は完全に「ピザ」だった。

 同社はこれまでにも「デリバリーの最低注文金額の撤廃」「1枚買うと2枚無料!キャンペーン」などさまざまな施策を展開してきた。ピザは複数人でシェアできるので、コスパがいい外食・中食として定着してる印象を筆者は持っていた。

 一方、近年盛り上がりを見せる「グルメバーガー」は単価1000円を超える高価格帯が一般的で、ポテトやドリンクなどのサイドメニューを付けると2000円近くかかってしまうものも多い。また、あの写真映えする「見た目」に財布のひもがゆるんでしまっている人もいるだろう。

映えを意識したグルメバーガーも増えている(画像はイメージ)

 引き続き既存商品でピザファンを取り込みつつ、バーガーファンを新規で獲得する戦略を取るとの予想はきれいに裏切られてしまった。なぜ「ピザ」の形状にこだわったのか、バーガーファンの取り込みは現実的なのか、開発担当者に話を聞いた。

――まず開発の経緯を教えていただけますでしょうか?

開発担当者: バーガーはファストフードの中で年々宅配シェアを広げているカテゴリーです。宅配ピザも近年需要が拡大しています。バーガーもピザも好きという人は多いだろうと予測していましたが、どちらも一度に食べるわけにはいかない。そこで当社の専門性を生かして、バーガーとピザを融合させ、出来立ての状態で届けられないかと考えました。

――バーガーとピザの需要を両方取り込みたいのであれば、一般的なバーガーの見た目を採用したほうが「映え」でバーガーを購入している層など複数のターゲットを取り込めるのでは?

開発担当者: 当社はこれまでも、デリバリーの最低金額撤廃や1枚買うと2枚無料など、常識を打ち破るキャンペーンや商品販売をしてきました。今回の新商品開発においても、常識を打ち破ることを念頭に置き、見た目はピザだけど食べるとバーガーという、不思議なフュージョン体験を届けたいと思いました。

ビッグダックバーガー(左)、ドミ"ノス"バーガー(右)

――そもそもバーガーの形にするという案はあったのでしょうか? コスト面やピザ屋のハンバーガーという視覚的な差別化など意識した点があれば教えてください。

開発担当者: 今回のコンセプトは、バーガーとピザの融合です。バーガーの形をして、味はピザという組み合わせも可能性としてはありますが、ピザとバーガーは作る工程が全く異なります。やはりピザの店として、バーガーをそれに融合させるということを追求しました。

 ピザの部分をしっかり残す必要もありますから、むしろ視覚的な面ではピザに見えることを大切にしています。その方が、食べていただいたときのインパクトが大きいと考えています。

――一見、ピザ屋が作った「ピザ」に見えてしまうためバーガーファンが食いつくかは未知数だなと思っています。既存商品ファンがバーガーに移行するという、カニバリズムも懸念される気もしますが、その点についてどのように考えられていますでしょうか?

開発担当者: 確かに見た目はピザなので、未知数な部分はあります。しかし、バーガー好きに食べていただけると、新鮮なインパクトを感じてもらえると思います。その流れがバーガー好きに広まることを期待しています。

 カニバリズムに関しては、起こらないと考えています。ドミノ・ピザは常時35種類以上のピザを提供しており、毎日食べても飽きない種類です。ピザ好きはバーガーもピザも食べたい日にはバーガーピザ、しっかりピザを食べたい日には通常メニューを楽しんでいただくという、棲み分けができていると考えています。

チェダーベーコンバーガー(左)、D's(ディーズ)絶品チーズバーガー(右)

 以上がインタビュー内容だ。ファストフード、外食チェーン、専門店などさまざまなプレイヤーがバーガー市場で激戦を繰り広げている。そのレッドオーシャンに身一つで飛び込んでいくのではなく、後発だからこそ、「見た目はピザなのに食べるとバーガー」というワクワク感や新たな価値に行き着いた。バーガー市場で一旗あげられるか、今後の動向に期待したい。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( ドミノ・ピザ、見た目はピザな「バーガー」を発売 なぜバンズで挟む形にしなかったのか? - ITmedia ビジネスオンライン )
https://ift.tt/KSbc7zI

No comments:

Post a Comment