「100円バーガー」で一世を風靡した幻のフランチャイズチェーン店「バーガーシティ」の唯一の生き残り-。そんなうたい文句を発信するハンバーガー店が、兵庫県豊岡市のJR江原駅前にある「バーガーシティ・サンロード店」(同市日高町日置)だ。「チェーン店」なのに1店舗しかないとは、いかに? 謎を解決すべく、店を訪ねた。(石川 翠)
落ち着いた雰囲気の飲食店街「サンロード一番街」の北側入口付近。年季の入った看板と、店内が見えないほどメニューが貼り付けられたガラス張りの店舗に目が引かれる。バーガーのBをハートとかけた赤と黄色の“昭和感”漂うロゴマークの横には「電子マネー」や「タピオカ」ののぼりがはためく。
98年に本部が倒産。保証金の返金もなく、加盟店からは「夜逃げ」などと非難の声が相次いだが、「チャンスだ」と喜んだのはサンロード店の上坂晃太郎店長(55)だった。以前からオリジナルメニューを出してみたいと思っていたことから、自前で食材や資材を調達。従来のメニューに加えて新しいハンバーガーを作り始めた。
特産品のとち餅を使用した「とちの実バーガー」(460円)は、両親が働く餅製造工場でとち餅をパティ状に加工してもらい、ハンバーグと一緒に挟み込んだ。見た目は地味だが、甘辛いしょうゆの味付けは肉との相性がよく、とちの実のほろ苦さがアクセントになっている。「はやりのもちもち食感ではなく、本物の餅。だから腹持ちもいいですよ」
ハッシュドポテトとナゲット、コーンボールのセットは、頭文字を並べて「はなこ」(300円)としたネーミングセンスも独特だ。
サンロード店と同様に個人営業で続けてきた店舗もあったが、5年ほど前からは堺市の白鷺店との2店舗のみになった。同店の高齢のオーナーと連絡を取ることもあったが、2018年末に閉店したという。
サンロード店の歩みも苦難の連続だ。国道の整備などで交通量が移り、駅周辺の商店街も閉店が相次いだ。一時、大手チェーン店が近くに出店したこともあった。客数は減ったが、学校帰りに立ち寄る高校生や、バーガーシティを懐かしむ遠方からの来客もあり、法事などで休む以外はほぼ無休で営業している。
上坂店長は、カウンターで客を待ちながら「バンズに何を挟むか、ずっと考えている」という。注文のほとんどがテリヤキバーガー(250円)など定番で、オリジナルメニューが出ることは少ないが「新しいことに挑戦し続けたい」と前向きだ。
会員制交流サイト(SNS)でも積極的に発信。チキン南蛮サンド(360円)の宣伝には大手チェーン店の名を挙げて「同じような商品を発売されていますが、当店では10年以上前から絶賛販売中!」と売り込み、「#買って守ろう絶滅危惧店」などとPRする。
地元にも追い風が吹き始めた。JR江原駅周辺では、日本を代表する劇作家平田オリザさんが昨秋移住。主宰する劇団「青年団」も東京から拠点を移し、今春には「江原河畔劇場」がオープンする。豊岡市が推し進める「演劇のまち」構想の中心地として全国から注目を集めそうだ。
「新たなハンバーガーの構想が三つある」と上坂店長。「ヒット商品になるかどうか自信はないけど、33年間、乗っかり続けてここまできたからには、バーガーシティを守り続けたい」。元チェーン店は、オリジナル感あふれる店として生き残っている。
午前11時~午後7時。同店TEL0796・42・3648
【バーガーシティ】本部は大阪府豊中市。1980年代前半から急成長し、ピーク時には関西を中心に全国400店舗以上を展開した。サンロード店は、北近畿豊岡自動車道が開通前で配送ルートもなかった87年、10坪の小さな「但馬1号店」として開業。これを皮切りに但馬各地に10店ほどがオープンした。ハンバーガー大手チェーンやコンビニエンスストアの進出などから98年、本部は倒産した。
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March 19, 2020 at 03:30AM
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買って守ろう絶滅危惧店 チェーン店で唯一生き残る「バーガーシティ」 - 神戸新聞
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