ドムドムフードサービスが2021年8月2日、プレミアムバーガーを売りにする新業態を東京・新橋にオープンした。同社が展開する「ドムドムハンバーガー」は最盛期の90年代には国内に400店舗近くを出店していたが、現在は27店舗にまで減少。“ハンバーガー界の絶滅危惧種”とまで言われていたが、21年3月期決算で赤字から脱却した。
「高級バーガーをドムドムがやってみたら」イベントが大反響
新業態「ツリーアンドツリーズ(TREE&TREE’s)」誕生のきっかけは、19年9月に東京・六本木で開催したイベント。「(港区で人気の)高級バーガーをドムドムがやってみたら」をテーマに、3種の和牛プレミアムバーガーなどを販売した。
レシピは、その前年となる18年に就任したばかりの藤﨑忍社長自らが考案。大好評で、19年10月に3日間の追加開催をしたほど。その反響を受け、藤﨑社長が「日本生まれのバーガーショップが日本で食べられる最高のバーガーを提供する店をつくろう」と企画を立ち上げ、実現させたショップだという。
ツリーアンドツリーズのメイン商品は、7種類の「和牛バーガー」(税込み1350円~1690円)と「丸ごとカニバーガー」(税込み1390円)、「厚揚げバーガー」(税込み990円)の計9種類(いずれもフライドポテト付き)。
さらに、新橋は朝と昼と夜で別の顔を持っているという分析から、朝は「アサダケカレー」や300円台バーガーを用意。ランチ用にプレミアムバーガー、緊急事態宣言解除後には14時から酒類の提供も予定しており、フードロス削減の観点からパテを店内製造する際に出る牛スジを利用した「牛筋デミグラス煮込み」や「ハトシ」(クリスピーシュリンプトースト)、「アヒージョ」などおつまみメニューも用意している。
和牛バーガーのパテには和牛のみを120g使用。均一の粒感になってしまうミンチ用機械は使わず、店舗でさまざまな大きさに手切りをしている。それを組み合わせて塩こしょうと少量の水だけでパテにまとめることで、ステーキのような力強く変化のある食感を出しているという。
最もシンプルな「和牛バーガー 塩」を食べてみたが、驚いたのは塊肉を口の中でほぐしながら食べるサイコロステーキのような独特の食感。一口ごとにかみ応えが違い、かめばかむほど肉汁が出るので、一般的なハンバーガーよりも肉の印象が非常に強い。ソースは使用せず、塩こしょうのみの味付けであることも、肉そのものの味を強く感じる理由だ。
通常のハンバーガーのバンズは具材との一体感を出すために軽い食感にしているものが多いが、和牛バーガーはかみ応えのあるパテとの調和を考え、米粉を使用したもっちりした食感のバンズを使用しているのもポイントだろう。
すべてのレギュラーハンバーガーに添えられる皮付きフライドポテトに、栽培量が少なく希少な十勝産のマチルダを使用していることにも驚いた。マチルダは甘みが非常に濃くしっとりした食感で人気があり、フライドポテト専門店などでは使用されているが、ファストフード店のフライドポテトではまず見ることがない。
「なぜドムドムがプレミアム?」と疑問に感じたが、既存店の価格帯では賃料の高い都心での展開は難しい。そこでプレミアムバーガーを主力商品にしたのだろう。とはいえ、和牛100%のハンバーガーとマチルダを使用したフライドポテトのセットで税込み1350円からという価格設定は、一般的なプレミアムバーガーと比較するとかなり割安だと感じた。
このコンテンツ・機能は会員限定です。
からの記事と詳細 ( バーガー界の絶滅危惧種「ドムドム」 奇策と懐かしさで人気復活 - 日経クロストレンド )
https://ift.tt/3A8bKWF
No comments:
Post a Comment