今回の四国キッチンは、金時豆を入れたお好み焼き「豆玉焼き」です。甘く煮た金時豆と、お好みソースの織りなす味わいが特徴で、徳島県内で戦後から間もない時期に食べられ始めたそうです。最近はご当地グルメとして注目を集め、県内の多くのお好み焼き店がメニューに掲げる一品です。徳島市の老舗店「はやしのお好み焼」店主の林恭弘さん(47)に家庭用にアレンジしたレシピを教えてもらいました。(上田裕子)
〈1〉具材を準備する
金時豆を水につけて1日置く。2時間ほど煮込んで柔らかくなったら、キザラと塩を加えてさらに2時間弱煮込む。お好みソースに味が負けないように甘くするのがポイント。
〈2〉生地をつくる
小麦粉に適量の水と塩を混ぜて生地をつくる。油を熱したフライパンやホットプレートに、お玉1杯分の生地を丸く広げ、風味づけの魚粉をふる。
〈3〉具材をのせる
細かく刻んだキャベツをのせ、卵を割り落とす。煮た金時豆と、天かす大さじ1杯をかけて数分焼く。片面が焼けてきたら、残りの生地をかけ、ひっくり返す。
〈4〉両面を焼く
3、4回ひっくり返して焼く。ヘラで表面を押さえて生地を薄く整え、水分を飛ばすのがコツ。この作業で、生地と豆が絡み合って絶妙な味に仕上がる。こんがりと焼き上がったらソースを塗り、かつお節や青のりをかける。
■材料 (1枚分)=小麦粉、水(適量)、キャベツ150グラム、金時豆60グラム、卵1個、天かす、キザラ、魚粉
お好み焼きに甘い金時豆を入れた起源は謎だ。ただ、徳島県民に甘党が多いとされることに関わりがありそうだ。
かつて県内は製塩業が盛んだった。労働の疲れを癒やすのに甘い食べ物が好まれ、甘党が増えた――との説がある。お好み焼きに関する著書がある武庫川女子大生活環境学部の三宅正弘准教授によると、県内において、金時豆はちらしずしの具に使われるなど親しみ深い食材だった。「お好み焼きは好きな具材を入れて食べるもの。徳島では安価で手に入りやすく、身近な金時豆がお好み焼きの具材になったのは自然なこと」と話す。
関西ではお好み焼きを食事として食べるが、徳島では甘い豆玉焼きをおやつとして食べる人も多いという。三宅准教授は「特に年配の女性が、ぜんざいや汁粉と同じように食べている。徳島ならではの習慣では」とみる。
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