まずは「カップケーキ」と「マフィン」について調べてみると…
nullカップケーキ
小麦粉にバター、砂糖、卵、ふくらし粉などを加えてクリーム状にした種をカップの型に入れて焼いた洋菓子。
【出典】精選版日本国語大辞典 小学館
マフィン
小形のパン菓子。イギリスでは、イースト入りの生地を鉄板で小円形に焼き、アメリカでは、卵入り生地をカップ型に入れて焼く。
【出典】日本国語大辞典 小学館
つまり「カップケーキ」と「マフィン」の違いって?
「カップケーキ」は洋菓子の一種、「マフィン」はパンの一種でした!
マフィンには、イギリス発祥で円盤形の「イングリッシュ・マフィン」と、アメリカ生まれの「アメリカン・マフィン」と2タイプあります。
イングリッシュ・マフィンは、小麦粉・牛乳・塩・酵母をこねた生地に、コーングリッツ(トウモロコシをひき割にしたもの)をまぶして焼いたもの。
アメリカン・マフィンは材料に卵が加わり、さらにカップ型に入って焼かれるものを指します。このアメリカン・マフィンがカップケーキと形も大きさも似ているんですよね……。
同じ「マフィン」でも、見た目や風味に違いがあるようです。
「カップケーキ」はデザート、では「マフィン」は!?
null「わたしは、カップケーキはおやつやデザート、マフィンは軽食というイメージです」と料理研究家の時吉さん(以下「」内、時吉さん)。
「バターや砂糖、卵が入ったカップケーキは、ふんわりした生地に生クリームやアイシング、チョコスプレーなどでデコレーションされているものが多いと思いませんか?
その甘さや華やかさから、おやつやデザートとして食べられたり、パーティーなどのおもてなしに出されたりする、まさしく“ミニケーキ”です。
一方のマフィンは、一般的にカップケーキよりも小麦粉の量が多く、生地自体の甘さは控え目。大きく、カップ型のアメリカン・マフィンと、丸く平たいイングリッシュ・マフィンの2種類に分けられます。
原料に卵が加わることでよりふんわり感やコクが出るアメリカン・マフィンは、プレーンタイプの他に、生地に具材を混ぜ込んで焼き上げたものがたくさんあります。その種類は、チョコレート入りの甘いものから、ブルーベリーやチーズ、ナッツ類などのしょっぱい系まで、バラエティ豊かです」
たしかに! 言われてみると、マフィンには甘くない“お食事系タイプ”もありますよね。
「生地に具材を混ぜ込むこともなく焼かれるのがイングリッシュ・マフィンです。よりパンに近い感覚で、食べる時はバターを塗ったり、ベーコンやチーズなどを挟んだりしていただくことが多いかと思います」
マクドナルドの朝食メニューでもお馴染みですよね! もっちりとした柔らかさと表面にまぶされたコーングリッツのほどよい香ばしさがたまりません。
「イングリッシュ・マフィンはシンプルな味わいなので、卵やベーコンなどを挟んでいただくのにマッチしていますね。マフィンは朝食やおやつなどの軽食向きと言えるのではないでしょうか」
もちろん好みはありますが、カップサイズであっても朝からケーキはたしかにちょっと重いかもしれませんね……。
使われる“油分”にも違いが
null「カップケーキとマフィンとでは、油分にも違いがあると言われます。
カップケーキには、コクと風味をよくするためにバターが用いられ、マフィンでは植物性のオイルが使われることが多いようです。
ただし、今はバターを使ったりデコレーションされたマフィンもあるようなので、両者を明確に線引きするのは難しいと言えそうです」
使われる材料や分量が変わるだけで、食感や味わいはだいぶ異なりますね。食べられるシーンが違うのも言われて見れば!でした。
カップケーキとアメリカン・マフィンは形が似ていて混同していましたが、これからは見極められそうです!
構成/kufura編集部
プロフィール
料理研究家。(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表
土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIP!MOCO’Sキッチン」(放送終了)「有吉ゼミ」などTV・出版物等のフードコーディネートや、料理、レシピ制作などで幅広く活躍。
Instagram(@cooking_clocca)では、日々のお料理や季節の和菓子といったレシピを中心に、オススメの調理器具やロケ先で出合った食材などを発信中。
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