X(旧Twitter)をざわつかせる手腕において、もはやハンバーガー業界の“王者”なのかもしれない。バーガーキングのマーケティングは競合とは一線を画す。マクドナルドに対する挑発とも取られかねない施策でXを沸かせたかと思えば、ファンが思わずアクションを起こす斬新な施策で自社の経営課題までも解決する。独自路線で成長を続けるバーガーキングの強さに迫った。
ハンバーガーはファストフードの代名詞だ。2974店舗(2024年2月末時点、以下同)を展開するトップの日本マクドナルドホールディングスは相変わらず絶好調。直近の23年12月期の連結決算では全店売上高が過去最高の7777億円を記録した。1306店舗を有する業界No.2のモスバーガーは24年3月期の売上高を920億円と見込む。
こうした巨大チェーンには及ばないものの、着実にファンを取り込み、成長を続けるのがバーガーキングだ。看板商品の「ワッパー」は直(じか)火焼きの100%ビーフパティが大きな特徴で、口に入れれば肉汁があふれ出し、スモーキーな香りが鼻に抜ける。
19年には大量閉店が取り沙汰されたが、それもどこ吹く風だ。19年に国内の運営元がビーケージャパンホールディングス(東京・千代田)に変わると反転し、直近3年間で店舗数は倍増。現在は全国222店舗を展開(24年4月9日時点)し、年間売上高は300億円を超える勢いだという。
ファンに出店物件を探させる? 異色キャンペーンの結果は
バーガーキングの武器の一つが、巧みなSNSマーケティングだ。「潤沢な原資がない分、知恵を絞るしかない。切り口の良いマーケティングは企業が抱える課題すらも解決する」と、ビーケージャパンホールディングス代表取締役社長の野村一裕氏は語る。
予算は少ないが、店舗数は増やしたい――。実際、このバーガーキングの課題に対して見事にアプローチしたのが、「バーガーキングを増やそう」キャンペーンだった。
24年2月5日スタートの同キャンペーンでは、客自身がバーガーキングの出店先になり得る空き物件を見つけて応募する。全応募者が商品の割引クーポンをもらえ、さらに物件が成約にいたると10万円がもらえる斬新な仕組みだ。
この“奇策”はバーガーキングの出店を熱望するファンの心に深く刺さった。24年1月19日にキャンペーンの事前告知をXに投稿したところ、1万1000件のリポストと1万3000件のいいねを獲得。
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