日本にハンバーガーチェーン店が誕生して今年で50年。意外にも国内の1号店はマクドナルドでもモスバーガーでもなく、象のマークが目印の「ドムドムハンバーガー」だった。そんなバーガー界のパイオニアが進撃を始めている。飲食店が苦しむコロナ禍の今、なぜ−。
今月十九日、東京・浅草で、ドムドムの二十七店舗目となる「浅草花やしき店」がオープンした。観光地ならではの食べ歩き需要を狙い、入園しなくても買える店構えになっている。ここでしか味わえない「浅草コロッケバーガー」などの限定メニューもあり、初日から行列ができた。
ドムドムのちまたでの印象は「懐かしい」「知らない」に二極化する。一九九〇年代が全盛期だっただけに、若い世代は特になじみが薄いだろう。マック派だという五島麻那都(まなつ)さん(19)とモス派の鈴木美南さん(18)は「名前を初めて聞いた」と言いつつ、笑顔でほおばった。
花やしきといえば一八五三年にできた日本で最初の遊園地。「日本初」を冠する両者のタッグにSNSは盛り上がった。花やしきの広報担当者は「日本初というつながりに縁を感じている。コロナ禍で大変だが、楽しい気持ちや笑顔を届けたい」と期待する。
このコラボ、声をかけたのはドムドム側だった。話題作りに定評がある運営会社の藤崎忍社長(54)は「相乗効果を期待してコラボしたかった」と明かす。
誕生五十年の今年、思わぬ事態が出店に導いた。マスク不足だったころ、藤崎社長はシンボルマークの「どむぞうくん」をあしらったオリジナルマスクを作った。接客スタッフ用に発注したものだったが、ついでに店頭でも販売すると「かわいい」とSNSで火が付き、即完売した。
ドムドムの名を再び広める機会にもなり、昔を懐かしむファンから近所への出店を望むメールが相次いだ。コロナ禍で外食産業が苦境に立たされる中、新規出店は悪手かもしれない。藤崎社長も「正直きつい」と認めながらも、「日本を元気にしたい。一大観光地に出店するのはドムドムの再生を図る上で大きな一歩になる」と、実に二年七カ月ぶりの新規出店を決めた。
都内では小平店、マルエツ大泉学園店(練馬区)に次ぐ三店舗目となり、藤崎社長は来年に山手線の内側に路面店を出す計画があることも明かした。「マスクの一件でファン層の広がりを感じている。どの世代が食べてもおいしいと思えるバーガーを届けたい」。根強いファンの期待を力に攻めの姿勢をみせるドムドムの進撃は止まりそうにない。
<ドムドムハンバーガー> マクドナルドの日本上陸よりも1年早い1970年、町田市にオープン。新しい食文化を広めようとダイエー創業者の故中内功さんが立ち上げたとされる。
最盛期の90年代には400店舗まで伸ばしたが、親会社のダイエーが経営不振に陥り、2017年にホテルや事業再生を手掛けるレンブラントホールディングス(本社・神奈川県厚木市)が事業を引き継いだ。
現在は岩手から福岡までで27店舗を展開。首都圏では東京、神奈川、千葉に計10店舗ある。お好み焼きバーガーやカニ1匹を丸ごと挟むカニバーガーなど具材のユニークさが売り。
文・加藤健太/写真・市川和宏
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