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Sunday, August 20, 2023

特集ワイド:勝負決める!?甘味の力 藤井聡太さん、王座戦での一品は ... - 毎日新聞

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第81期名人戦七番勝負第4局、午前のおやつに出されたアイスコーヒーを手に盤面を見つめる挑戦者の藤井聡太さん=福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で2023年5月21日午前10時23分、岩下幸一郎撮影
第81期名人戦七番勝負第4局、午前のおやつに出されたアイスコーヒーを手に盤面を見つめる挑戦者の藤井聡太さん=福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で2023年5月21日午前10時23分、岩下幸一郎撮影

 8月末に開幕する将棋の王座戦五番勝負で、藤井聡太さん(21)が八つあるタイトル全てを制覇する初の快挙を目指す。大一番では勝負の行方だけでなく、対局者に提供されるスイーツも注目される。甘い物にどんな効果があるのだろう。6月に名人位を奪取して史上最年少で7冠を達成したスター棋士が、前人未到の8冠に挑戦するのを前に、心と脳の専門家に「勝負おやつ」を読み解いてもらおう。

 6月1日午前、長野県高山村の老舗旅館。藤井さんが当時の渡辺明名人に挑んだ第81期名人戦七番勝負の第5局2日目で、毎日新聞デジタルの特集ページは2人が選んだおやつを写真付きで速報した。<渡辺名人は小布施和栗をふんだんに使ったモンブランとぶどうジュース(コンコード)、藤井王将は長野県産の食材にこだわったフルーツスフレロールとアイスコーヒーを注文しました>

 タイトル戦では通常、午前10時ごろと午後3時ごろにおやつが用意される。各メディアはこれらのメニューを報じ、SNS(ネット交流サービス)上でも話題になる。

 だが、対局中は座っていて激しく体を動かすわけでもないのに、そんなに甘いものを食べて大丈夫なのだろうか。「甘い物を食べるということは、手っ取り早くグルコース(ブドウ糖)を取るということです。それは脳が必要とするのです」。こう話すのは帝京大医学部精神神経科学講座主任教授で栄養学専門医の資格を持つ功刀(くぬぎ)浩さん(62)だ。

 食事を通じて脳のエネルギーになるのは、糖質の中でもブドウ糖だけ。その供給源になるのが主に白米やパンなどの炭水化物だが、体内で消化吸収されない食物繊維も含まれており、唾液などと混ざって消化酵素によりブドウ糖に分解されるまでには一定の時間がかかる。砂糖を使った甘いお菓子には元々多くの糖質が含まれ、素早く脳をエネルギーで満たして活性化させてくれるという。

 実は功刀さんも、アマチュア将棋でトップレベルの六段保持者である。「私も将棋を指している時はおなかがすきます。脂っこいものより、ビスケットなんかを食べたくなりますね。頭が欲している気がしますよ」と自身の経験を明かす。「むちゃくちゃ緊張している時って、空腹は感じないんですよ。でも2日間にわたるタイトル戦だと時間があって、心の余裕もある時に『ぐーっ』なんておなかが泣いちゃうと気力が出ませんよね。そうならないためにもブドウ糖を補給しておくことが大事なんじゃないでしょうか」

 脳の重さは体重の2~3%だが、食べた食事の20%程度のカロリーを消費するとされている。功刀さんは強調する。「プロ棋士は歴史に残る棋譜を作る使命がありますし、限られた時間でむちゃくちゃ先まで手を読まないといけません。頭をすごく使うので、脳の栄養が必要なのです」

 ブドウ糖の効果は、エネルギー源にとどまらない。脳に取り込まれると、神経伝達物質の一種で「やる気ホルモン」と呼ばれる…

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