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Saturday, February 17, 2024

米人気バーガーチェーン「In-N-Out」、75年で初の閉店 理由は犯罪多発 - 日経ビジネスオンライン

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 ランチタイムをとうに過ぎていたが、半分以上の席は埋まっていた。ドライブスルーには10台ほどの車が並び、持ち帰りの商品を求める客足も絶えない。米西海岸で「ソウルフード」とも呼ばれる人気ハンバーガーチェーンの「In-N-Out(イン・アンド・アウト)バーガー」。2月初旬に訪れたオークランド店(カリフォルニア州)は、約400ある同チェーンの他店舗と変わらぬにぎわいを見せていた。

3月に閉店する「In-N-Outバーガー」のオークランド店(カリフォルニア州)

3月に閉店する「In-N-Outバーガー」のオークランド店(カリフォルニア州)

 だが、この店舗はあと1カ月あまりで閉店する。店が繁盛する傍らで、客や従業員を狙ったひったくりや車上荒らしの被害が絶えないためだ。18年前の開業時からの常連客というボブ・グリフィンさんは「ここ数年、何度も犯行現場に出くわした」と話す。標的と定めた車のそばに乗り付けて大胆に窓を割り、中身を盗んであっという間に走り去るのが犯行グループの常とう手段だ。空港に近いため、スーツケースを抱えた観光客も頻繁に狙われた。

 「犯罪の頻度とひどさを考えると、他の選択肢はなかった」。日経ビジネスの取材に対し、イン・アンド・アウトのデニー・ワーニック最高執行責任者(COO)は書面でこう答えた。近隣への移転を伴わない純粋な「閉店」は、約75年に及ぶ同チェーンの歴史で初めてだという。「顧客と従業員の安全が最優先だ。安全でない場所に来てもらったり、働いてもらったりすることはできない」(ワーニック氏)。

「何度も犯行現場に出くわした」と話す常連客のグリフィンさん

「何度も犯行現場に出くわした」と話す常連客のグリフィンさん

 同様の課題に頭を悩ませる飲食店や小売店は少なくない。米スーパー大手クローガーのマイク・ラム副社長は「組織犯罪のエピデミック(まん延)を目の当たりにしている。小売業界に45年いるが、かつてない暴力性を感じている」と吐露する。イン・アンド・アウトでは主に客や従業員の車や財産が狙われたが、小売店では商品そのものが標的となる。

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