グルメバーガーの先駆者で、昨年の全国大会で日本一に輝いた羽生市出身の渡辺貴広さん(55)が、同市中央に店を開いた。長年、東京都内で人気店を経営していたが、家族の事情などでUターン。「羽生を『バーガーの街』として生まれ変わらせたい」と立ち上がった。
空き店舗を改修して、昨年12月27日にオープンした。店名は「Big Bang Diner」。連日、開店と同時に客が詰めかける。来店した男性(54)は「赤身の牛肉がたっぷり入っていてジューシー。大満足」とうれしそうに話す。
メニューは「和牛煮込みレタスオニオン」(税込み1900円)「ダブルビッグバンバーガー」(同2200円)など10種類ほど。渡辺さんが考えた、オリジナルメニューが中心だ。異なる牛肉の部位をスライスし、こね合わせ、じっくりと炭火で焼く。肉汁が混ざり合い、濃厚な味わいを醸し出す。
渡辺さんは羽生実業高校を卒業後、都内のバーガー店などで修業し、2002年に店を構えた。味や素材にこだわり、ファストフードとは一線を画した独創的なグルメバーガーを考案し、店は行列ができるほどの人気店になった。
しかし、他店との激しい競争にさらされる毎日に嫌気が差し、都内の店の譲渡を決断。21年に生まれ故郷の同市に戻ったが、地元商店街の衰退に衝撃を受けた。大型商業施設の影響もあり、空き店舗は約3割に上っていた。
古里の停滞を気に留めていた昨年6月、渡辺さんに転機が訪れる。
軽い気持ちで、ハンバーガー日本一を決める「ジャパン・バーガー・チャンピオンシップ 2023」に参加した。全国12の有名店の腕自慢が出場し、決められた食材で競い合った。見た目と調理の正確さ、味などを評価され優勝した。
羽生の地域再生を目指す市民有志らの取り組み「MALL DESIGN(モールデザイン)」の活動にも参加しており、「食を通じて地域を盛り上げたい」という思いは強くなった。仲間たちから空き店舗の紹介を受け、古里の活性化に腕を振るうことになった。
Uターン後、一時は引退を考えたという渡辺さん。「この店を拠点に、都会には負けない羽生の魅力を発信していきたい」と夢を膨らませている。
からの記事と詳細 ( 羽生を「バーガーの街」に 全国大会V・渡辺さん - 読売新聞オンライン )
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