スマホのブルーライトやコンビニの照明を浴び、真夜中まで目が冴えている私達。健やかな入眠のためには、どうしたらいのでしょうか?内閣府認証NPO日本アーユルヴェーダ協会理事長・上馬塲和夫先生に、速やかに眠れるようになるための工夫を教えていただきました。
不眠を解決する、東洋医学の三つの方法
夜すぐに眠りに就くためには、自律神経が正しい状態になっていなければなりません。交感神経が落ち着き、副交感神経が活発になっていることが必要です。アーユルヴェーダで自律神経を調整するには、どんな方法があるのでしょうか。上馬塲先生は「僕達は東洋的な養生法・治療法を三つに分けて考えています」と言います。
「ソクラテスは、人間は考える葦だといいましたね。葦はストローだから、中が中空になっている。空洞からアプローチする方法は、食べ物です。また、いろいろなお薬やサプリメントも、中からアプローチする方法になります。外からアプローチする方法が、マッサージや温熱刺激です。さらに、中からでも外からでもない方法が、ヨガや気功。呼吸法・瞑想・運動・体操ということになります」
「例えば睡眠障害を改善する場合でも、東洋医学では三つの方法がある。自律神経系を調整するのは、中からのアプローチが食べ物で、中と外からのアプローチがヨガと呼吸法なんですね。さらに、外からのアプローチは皮膚からのマッサージや、筋肉や筋膜を伸ばすこと。これが三つ目の調節機能です」
上馬塲先生は、「ヨガ、アーユルヴェーダの中には、睡眠をより深くする方法、自律神経に対する方法が満載になっている」と言います。順番に教えていただきましょう。
小麦・乳製品・白砂糖はよくない
まずは、中からのアプローチである食べ物について知りましょう。
「睡眠のリズムを整えるためには、できれば午後2時半以降は、カフェインは取らないほうがいいですね」と上馬塲先生。
「あと最近『糖質がいけない』という話があります。朝方に糖質を摂ると、血糖値が高くなり、副交感神経が優位になって、眠くなるんです。だから、朝方は甘いものを取らないほうがいいです。アーユルヴェーダ的には昔から『朝はカパの時間なので、甘いものを摂らないほうがいい』とよく言われています」
「逆に夜眠れない時は、少しだったら甘いものを取ってもいいんじゃないでしょうか。例えば、糖分の入っている温かいミルクや豆乳でもいいと思います。糖分を少し摂ると、眠りやすくなることがありますね」
「よくないのは、小麦・乳製品・白砂糖。特に小麦を取っている人達は、腸内細菌叢がおかしくなったり、腸に小さな穴が空いてしまう腸漏状態(リーキーガット症候群)になりやすい、と言われています。日本で使われている小麦の9割はアメリカ産です。アメリカ産の小麦には農薬が混じっていまして、農薬の中のグリフォサートという成分がかなりあるんじゃないかというのです。どんな日本人の体もグリフォサートで汚染されていて、そのグリフォサートが発がん物質の一つで、がんが増えている原因の一つではないかとも言われています」
自分の状態に合ったヨガで快眠を
次は、ヨガによる睡眠を深くする方法です。
「眠れない時はヨガのポーズと呼吸と、瞑想をやればいいです。ゆっくりとした呼吸法を行って、呼気を長くすれば、副交感が優位になり交感が抑えられて、眠りに就きやすくなります」
「交感神経が興奮していると眠れなくなりますので、できるだけ副交感神経を優位にするような呼吸法をしたり、あとはポーズもできるだけ気持ちよく伸びるようにするとよい。あまり過剰に伸ばして痛くならないように注意してくださいね」
ヨガは自然療法ですが、やり方を間違えると、逆に交感神経が興奮してしまうこともあると言います。
「交感神経が興奮している人にもっと興奮させるようなことをしたり、副交感神経が優位な人にもっと優位にさせるようなことをしたりしても、困るかもしれませんね。自然療法でも、やっぱり自分の状態に合った方法を、指導者から教えていただかなくてはいけません。その時にアーユルヴェーダを知っていると、体質などの知識がありますので、便利ではあると思います」
家族同士でマッサージ
最後は、外からのアプローチです。
「アーユルヴェーダでも中国でも言いますが、外からのアプローチでマッサージをするということは、交感神経を抑制します。マッサージの仕方によっても違いますけれども、気持ちよくマッサージすれば、副交感神経を優位にするんです。だから交感神経が優位な人がマッサージを受けるのは、とてもいいことなんです。マッサージで圧迫するというだけではなくて、温かさも自律神経系に作用します」
マッサージと温熱を同時に与えてくれる機会として、上馬塲先生は「触れ合いの中でリラックスできますので、人がマッサージするのが一番いい」と言います。そこですすめているのが、家族同士で行う、手を使わないマッサージです。
「転倒しないような、足でやるマッサージをすすめています。ベッドの上で、一人が寝転がって、もう一人の人が足で踏んづける。足全体で行うと、とても気持ちがいいんです。そういうことを寝る前にやると、ぐっすり眠りやすくなりますね」
外からの皮膚へのアプローチとして、お風呂も、交感神経を抑制し副交感神経を優位にさせる働きがあります。
「副交感神経をより優位にするには、お風呂に入るといいですね。インドではあまりバスタブがないためにシャワーだけで過ごす人が多いです。でも日本は湿気や寒さがあり、温泉もある水の豊富な国ですので、できるだけお湯で体を温めたいですね」
「交感神経を抑制してくれますので、自律神経系にもとてもいい。40~41度のお湯に、10分ぐらい毎日浸かっていただく。42度以上の熱が皮膚に加わると交感神経を優位にするんですけれども、41度くらいだったら逆に副交感神経が優位になって、リラックスできるようになるんです」
「バスタブに入って上がった深部温が、また一時間半後ぐらいに下がってくる。その時に眠気が出てくると言われていますので、お風呂に入ってすぐ寝るのではなくて、1時間半後に寝るような入り方をするといい。交感神経が興奮しすぎず、循環もよくなるし、副交感神経もほどよく優位になって、睡眠の質もよくなっていくんじゃないかと思います」
香りと光に注意して快適な寝室に
アロマセラピーは、アーユルヴェーダの観点では外からのアプローチになります。「眠れない人は、香りをよく使っていますね」と上馬塲先生。
「眠りやすくするのは、ピッタを静める香りがよく使われています。白檀、伽羅(きゃら)、沈香(じんこう)など。他にはラベンダーでも、眠りやすくなると言われています」
「エッセンシャルオイルをティッシュに染み込ませて、枕元に置いておくといいです。香りを眠る前の寝室に広げてもらえます」
自律神経を整え健やかな眠りに就くために、光にも工夫が必要です。
「赤い光が当たると、交感神経は興奮してしまいます。ブルーライトもよくないですし、薄い自然光がいいと言います。できるだけ暗くして光を少なくし、香りもいい状態にして眠っていただくと、より眠りやすいです」
三つのアプローチから、健やかな眠りを手に入れましょう!
監修:上馬塲和夫/医師・医学博士。アーユルヴェーダ脈診の研究に対し、インドのグジャラート・アーユルヴェーダ大学からゴールドメダル受賞
ライター:沢田聡子
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